透過率を高めるための低回折透明パネル構造の設計によって、Micro LEDディスプレイの効率が向上

柔軟で透明なMicro LEDパネルの開発について。4月22日に開催されたTouch Taiwanにて、同研究所は「低回折透明パネル構造設計」を開発し、透明ディスプレイの回折強度を大幅に低減させることで、透明Micro LEDディスプレイ上の文字や画像をより鮮明にし、台湾の透明ディスプレイシステムおよびその応用における競争優位性を促進しています。

経済部技術局は台湾ディスプレイ産業協会（TDUA）、群創光電、友達光電、大運精密、工業技術研究院とともに、Touch Taiwan 2021にて高付加価値の生産ライン変革・高度化や先進ディスプレイ技術応用を発表しました。工研院は「低回折透明パネル構造設計」を開発し、透明ディスプレイの回折強度を大幅に低減。これにより、透明Micro LEDディスプレイの文字や画像の視認性を向上させ、台湾の透明Micro LEDディスプレイシステムと応用における競争力を高めています。

台湾工業技術研究院電子光電系の呉志毅主任によると、工研院はキーイネーブリング技術に注力しており、背景光が透明ディスプレイパネルを通過する際に生じる光の回折問題に対応した低回折透明パネル構造設計により、透明パネル背景の視認性を改善できます。回折強度を基準とすると、現在の多くの透明ディスプレイは約30%〜40%の回折強度を持ちますが、工研院の技術は1%未満に抑えられ、医療用AR手術情報やモバイル車両のスマートウィンドウなど透明ディスプレイの応用範囲拡大に貢献します。

さらに、工研院は「パネルレベルの再配線層（RDL）技術」も開発しました。工研院が開発したパネルレベルRDL再配線層技術は、ウェハ基板上やPCB基板上の従来RDL技術に比べ、パネルの反りを1%以内に抑制でき、厚銅線の線幅・線間距離は2μmに達します。これにより、5G通信チップと組み合わせた通信フィルターなどの機能部品を統合封止でき、薄型・狭ショートエリアの要求に対応可能です。

呉主任はさらに、パネルレベルRDL技術はMicro LED表示パネルの駆動線にも応用でき、パネル設計の柔軟性を高めると述べています。

経済部技術局の邱秋輝課長は、同局が法規産業部門のリソースを活用し、産業の先進ディスプレイ技術開発を支援しており、科学技術強化における三つの重要任務があると述べました。第一に、パネル工場の表示モジュール能力強化およびインテリジェント表示・仮想現実統合システムの開発。第二に、パネル産業ラインの製造力と非表示製品の事業機会変革との融合。第三に、産業部品プロセスの経験を活用した新たなディスプレイ技術の研究開発。特に、工研院の透明Micro LEDディスプレイシステムおよび応用の研究開発は世界有数のグループとなっています。