新しいサプライヤーで既存のLCDディスプレイを再現できるのか?
長期間サプライヤーからLCDディスプレイを調達していても、そのサプライヤーが期待される品質基準を満たさなくなった場合、貴社の事業や評判に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。
サービス低下、不具合、部品のEOL(供給終了)、需要に応えられない供給力や納期対応力など、理由は様々ですが、もはや有益な関係とは言えない状況に陥ることもあります。
しかし、製品全体は既存サプライヤーが設計・製造した特定のLCDディスプレイを基盤として構築されているため、サプライヤー変更は大規模な再設計、金型費、エンジニアリング費用、後方互換性の喪失、アフターサービスや修理市場への影響といった大きな懸念を伴います。そのため、多くの企業は問題を抱えながらも、サプライヤー切り替えの「痛み」を避けるために現状維持を選んでしまうのです。
では、本当に選択肢はないのでしょうか? 現行サプライヤーしか求めるLCDを供給できないのでしょうか? それとも、新しいサプライヤーが既存ディスプレイを再現しつつ、サプライチェーン上の課題を解決できるのでしょうか?
幸い、その答えは「はい」です。
新しい長期的なサプライヤーは、貴社ビジネスにコミットし、プロジェクトライフ全体を通してサポートすることが可能です。最初のステップは、適切な質問を投げかけてサプライヤーを見極めることです:
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要求するディスプレイが、そのサプライヤーの技術的な中核分野に含まれているか?
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一貫した高品質を保証する品質管理体制を有しているか?
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貴社はそのサプライヤーにとって重要な顧客層に含まれるか?(外れ値的な存在になってしまわないか?)
他社標準LCDの活用
複数のメーカーが同等、または類似のディスプレイを生産している標準的なプラットフォームも存在します。これらを活用して移行するのは一見魅力的な選択肢ですが、同じサプライチェーン上の課題を繰り返さないためには、次のサプライヤーの審査・選定が最重要です。
モノクロLCDのマッチング
モノクロLCDは最もマッチングが容易です。LCDドライバICを除けばほぼ全ての部品をカスタマイズ可能であり、互換性のあるICも多数存在するため、ほぼ常に100%ドロップイン互換の代替品を提供できます。
新しいサプライヤーは、外形寸法・インターフェースを合わせたうえで、液晶流体や設定、偏光板、駆動回路を調整し、背景色、画素色、コントラスト、応答速度、温度特性を最適化することが可能です。
さらにバックライトやカバーガラス、タッチパネル、コネクタなども同等またはそれ以上の品質で再現できます。
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金型費用目安:2,000〜6,000米ドル
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開発リードタイム:約4〜6週間
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結果:既存製品の設計変更不要、エンジニアリングリソース消費も不要
カラーTFTディスプレイのマッチング
カラーTFTセルは高額な金型費用(150,000〜350,000米ドル)と大ロット(最低10万台)の制約があるため、多くの場合、標準TFTガラスパネルをベースとします。
ただしサイズや解像度の選択肢は豊富で、広視野角偏光板や機能拡張フィルムなどのカスタマイズも可能です。ガラスセル以外の部品はモノクロ同様に最適化できます。
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金型費用目安:2,000〜10,000米ドル
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開発リードタイム:約4〜6週間
ガラスセル自体が入手不可の場合でも、代替ガラスやドライバICを用い、ソフトウェア初期化や小規模な機構修正のみで互換性を維持できるケースが多くあります。
結論
サプライヤー切り替えを阻む唯一の懸念が「新しいサプライヤーが同等のディスプレイを提供できないのではないか」という点であれば、その前提自体を検証する価値があります。
市場には、互換性問題を回避しつつ必要なディスプレイを供給できる理想的なサプライヤーが存在します。





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