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爆発性環境で使用するディスプレイ設計

前の ビュー: 2254 更新日: Jul 06,2017

危険環境で使用される機器を設計する際には、要求される本質安全性(Intrinsic Safety)のレベルに応じた特定の規格を遵守する必要があります。そのため、設計するすべての機器において、ANSI/ISA-RP などの規格を順守しています。

この対象には、LCDディスプレイも含まれます。

市販のディスプレイを購入し、爆発性環境での使用に応じて改変を依頼する代わりに、特定の本質安全性要求に合わせたカスタム部品を設計する選択肢もあります。

本質安全性に対応するためのカスタムディスプレイ

市販のディスプレイは広く流通しており、さまざまな環境で利用されていますが、危険環境での使用を前提に設計されているわけではありません。標準化された設計のため、危険環境に対応する仕様は意図されていません。

危険環境内でも用途は多岐にわたるため、単一のディスプレイで全てのケースに対応することは困難です。市販ディスプレイは大量生産向けであり、より一般的な用途に適しています。そのため、お客様の製品や市場の本質安全性規格に応じた、カスタムディスプレイの設計が必要となります。

この考え方を理解すれば、あとは設計チームと協力し、機能性と安全性を両立した理想的なカスタムディスプレイを開発するだけです。

設計時に考慮すべき属性

本質安全性対応ディスプレイを設計する際には、以下の設計要素を検討してください。各要素は互いに密接に関連しています。

部品選定
適切な部品を選定することは、設計における重要な要素です。部品のサイズ、電圧、材質、エネルギーの生成・蓄積能力、最大表面温度、動作特性・故障特性、そして他の部品と組み合わせた際の適合性を考慮する必要があります。

電圧
LCDディスプレイ全体で発生する最大電圧も重要な検討事項です。電圧を最小化することで、スパーク発火のリスクを低減できます。これは部品選定と密接に関連しており、蓄積エネルギーを制限できる部品を選ぶ、もしくはエネルギーを蓄積する部品の数自体を減らすことが必要です。

接続
配線や接続点の数を制限することも重要です。接続点が多いほど、ディスプレイの複雑性が増し、アークやスパークの発生リスクが高まります。

トレース
露出した回路トレースもスパーク発火のリスクとなるため、封止や適切なカバーで保護する必要があります。トレース間距離や部品間距離は、本質安全性規格に基づいた基準に従う必要があります。

選択肢があることを忘れずに

本質安全性は、機器設計において不可欠な要素です。この要求はLCDディスプレイにも反映されるべきです。

市販ディスプレイに限定される必要はありません。カスタム設計によって、本質安全性をディスプレイに組み込むことが可能です。これにより、市販ディスプレイでは達成できないレベルの安全性を確保できます。

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