カスタムにするべきタイミングは?
LCDディスプレイでカスタム対応を行うべきタイミングを見極めることは、時として難しい場合があります。
カスタムディスプレイは単価が高くなるという最も一般的な誤解を取り除けば、この分析はずっと簡単になります。
通常、年間約3,000台以上の製品では、標準製品よりもカスタムまたはセミカスタムLCDディスプレイを導入することで、システムレベルでの純利益向上の可能性があります。LCDディスプレイのエンジニアが直接設計プロセスに関与することで、統合効率の向上がほぼ必ず見込めます。特にディスプレイのニーズが独自であり、利用可能な標準製品が近くない場合、この改善効果はさらに顕著になります。
なぜ年間3,000台か?
これは通常、カスタム構成の単価が標準製品と同等かそれ以下になる、ボリュームの下限目安だからです。年間3,000台未満では、カスタム構成のコストが標準製品より高くなる場合がありますが、設計上カスタムが必要な場合は依然として選択肢となります。
カスタムLCDのメリット
カスタムディスプレイを採用する主な利点は次の4つです:
- LCDディスプレイ単価の低減
- LCD統合の向上
- ディスプレイ性能の最適化
- システムレベルコストの低減
LCDディスプレイ単価の低減
カスタムLCDディスプレイは、必要な機能のみを含むため、単価を下げることが可能です。
標準機能やサイズを詰め込むのではなく、必要なものだけを含めることで、材料費を削減し、1台あたりのコストを低減できます。
LCD統合の向上
カスタム設計では、ディスプレイを製品全体と一体化させ、組み立てやすい設計にできます。
これにより、組み立てコストを削減し、冗長な部品(例:コネクタ)を排除できます。また、機械的・電気的要素を高度に統合することで、より高い品質を実現できます。
ディスプレイ性能の最適化
カスタムLCDは、ユーザーの使用環境やニーズに合わせて性能を最適化できます。
広視野角や極端な温度条件での使用が必要な場合、要求に応じて性能を向上させることが可能です。また、不要な性能を削減することでコスト削減も可能です。
パフォーマンス改善の例:
- アクティブエリアの最適化
- バックライト/日光下可読性および視野角の改善
- 耐高温・低温LCD液晶やヒーターの導入
- 強化カバーガラスによる破損防止
- 光学接着によるコントラスト・明るさの向上と反射防止
システムレベルコストの低減
カスタムディスプレイでは、標準LCDに含まれない部品を統合できます。
例えば、タッチパネル、ボタン、LEDインジケータ、強化カバーガラス、専用ケーブルやマウント機構などです。
ディスプレイに統合することで、個別部品よりも経済的に製造でき、組み立て部品の管理量を減らし、組み立て時間と労力を削減できます。さらに、統合度の高いシステムにより、製品の信頼性と堅牢性も向上します。
カスタムを始めるには?
カスタムLCDの利点を理解したら、次は具体的な進め方です。
製品の目的を明確に定義する
市場やターゲットユーザーを理解する
必須質問例:
表示する情報/コンテンツは?(テキスト、画像、カラーかモノクロか)
LEDインジケータなどの追加コンテンツは必要か
ユーザーインターフェースは?(ソフトキー付きタッチパネルか固定ボタンか)
電気的・機械的に最適なインターフェースは何か
使用・保管環境は?(屋内/屋外、高温/低温、湿度、ユーザー距離、周囲光、衝撃/振動)
市場調査とコスト分析
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製品機能のコストメリットを評価し、最適なカスタムLCD仕様を決定
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設計チームがこれらの属性を基にプロトタイプ用の仕様を作成
すべてのカスタムオプションは可能か?
理想的なニーズを明確にした後、ディスプレイパートナーは実現可能なオプションを提示します。
例:カラーフルカラーTFT LCDは高額な金型費用と最小発注数量の制約があり、年間10万台未満のプロジェクトには不向きです。その場合、標準カラーフィルタTFTガラスをベースにカスタム設計することが一般的です。
ただし、LCDガラスのカスタマイズには製造上の制限や商業的制約がある場合があります。
カスタムをより簡単にするには
カスタムLCDの利点と設計プロセスを理解し、オープンに取り組むことで、標準製品よりも最適なLCDソリューションを得られます。
「カスタムは高額」という誤解により、評価を避けることが多いですが、経験豊富なLCDメーカーとパートナーを組むことで、最適なカスタムLCDの導入が可能です。
カスタムLCDディスプレイの検討に関してお困りですか?
ぜひご相談ください。





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