LCDディスプレイにおける廃番への備え方
部品が廃番となった場合の対応策?
あらゆる企業や組織において、部品管理には継続的かつ慎重な対応が必要です。
では、使用しているディスプレイが廃番・供給終了となった場合、どのように対処すべきでしょうか。
購買担当者にとって、これは非常に大きな負担となります。
短期的な生産継続の確保と同時に、新しい部品や新規サプライヤーを探す必要があるため、不安や課題が一気に押し寄せます。
例えば以下のような疑問が浮かぶでしょう:
- 既存サプライヤーは、システムに適合する代替品を供給できるのか?
最終購入として大量発注は可能か?
カスタム部品は製造できるのか?コストや納期はどの程度かかるのか?
長年取引をしてきたサプライヤーを変更すべきか?
新しい部品も近い将来、廃番になるのではないか?
現サプライヤーが要望に応えられない場合、選択肢が限られているように感じるかもしれません。
しかし、実際にはいくつかの対応策が考えられます。
サプライヤーによる特別製造の可能性?
長期的な取引関係がある場合、廃番となった部品を特別に製造してもらえる可能性があります。
ただし大手サプライヤーでは、大量発注の顧客にしか対応しないケースも多く、現実的に難しい場合があります。
もし可能であれば、製品ライフサイクル終了までの需要を満たせる「ラストタイムバイ(最終大量購入)」を検討し、代替策を検討する時間的余裕を確保するのが望ましいでしょう。
なお、多くの場合、廃番はサプライヤーの管理外にあるサブコンポーネントの供給終了によって引き起こされます。この場合は、代替部品をベースにした再設計を依頼することが考えられます。
他社からの代替品調達?
次に検討すべきは、他のサプライヤーから代替ディスプレイを調達できるかどうかです。
標準的な仕様のディスプレイであれば入手可能な場合もありますが、多くの場合は細部に仕様差があり、製品の部分的な再設計が必要になるケースが少なくありません。
カスタムディスプレイの採用?
カスタムディスプレイは、既存システムや廃番部品に完全に適合するよう設計できます。
これにより製品全体の性能や品質を維持できるだけでなく、改善が見込まれる場合もあります。
LCD自体をカスタム化することで、大規模な再設計を避けられる点も利点です。
経済性については、サプライヤーの技術力と製品需要が合致するかがポイントです。
一般的な金型費用は2,000~6,000米ドル、開発リードタイムは約4~6週間です。
サプライヤーの切り替え?
もし既存サプライヤーが対応できない場合、新規サプライヤーを検討する必要があります。
ただし、主要部品のサプライヤー変更はリスクを伴うため慎重さが求められます。
新規サプライヤーに対しては、廃番リスク対応の可否や、同業界での実績を必ず確認し、既存顧客からの推薦や紹介を受けることが推奨されます。
また、移行期間中に不足が生じないよう、在庫を十分に確保する必要があります(カスタム品の場合は開発に5~8週間、量産数量確保に追加で8~12週間が目安)。
新規部品の廃番を防ぐ方法?
標準的なフォーマットを選択することが最も有効です。市場で高い需要を持つ規格であれば、複数のパネルメーカーから類似の代替品が供給されるため、廃番リスクを大幅に低減できます。
また、設計がすでに固定されている場合は、サプライヤーの供給能力や対応姿勢が重要です。製品需要とサプライヤーの生産能力が合致しているか、そして長期的な供給支援を約束してくれるかを必ず確認してください。
まとめ
部品の廃番は、企業にとって時間と労力を要する課題ですが、適切な解決策を講じることで、コスト効率と製品品質の両立を実現できます。結果として、貴社製品の競争力向上と事業全体の利益改善につながる可能性があります。





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