課題:OEM・LCDディスプレイサプライヤー・EMS(受託製造業者)
多くのメーカーと同様に、貴社も今日の市場で競争力を維持するため、製造を海外あるいは国内の契約製造業者(CM)へアウトソーシングしている可能性が高いでしょう。
その際、多くの場合はLCDディスプレイサプライヤーを選定し、CMと連携させることになります。既に認証プロセスを経て、時間とコストを投資し、さらに発注書を善意で承認した結果、CMがLCDサプライヤーから適正なコスト、納期遵守、そして高品質な部材を調達すると信じてきたのではないでしょうか。
しかし、それで関係が固定化されてしまったわけではありません。もし現在の関係が期待するほど有益でないと感じる場合、選択肢は存在します。本稿では、その選択肢とあわせて、OEM・サプライヤー・CMの関係全体について考察していきます。
期待されること(Expectations)
LCDサプライヤーに対して合理的に期待できることは、OEMである貴社の利益を最優先に考え、CM(契約製造業者)と直接的かつ適切にコミュニケーションを行うことです。
LCDサプライヤーとCMは以下の事項について協調すべきです:
- スケジュール(在庫計画や納品スケジュールの策定を含む)
- 支払条件(出荷条件を含む)
- 品質・性能チェック
- RMA(返品処理)
協調の具体例:
あるCMでLCDモジュールに品質問題が発生しました。CMは問題をLCDサプライヤーに通知。サプライヤー工場でのQAチェックでは不具合は確認されませんでしたが、サプライヤーは責任を持ち、CM工場を訪問。共同調査の結果、CMの工程に欠落があり、それが品質を損なっていたことを発見しました。迅速かつ的確な対応により影響は最小限に抑えられ、OEMは状況を把握しつつも、直接対応を負担する必要はありませんでした。
LCDサプライヤーは、以下のように製品や顧客認識に大きな影響を与える事項については、必ずOEMへ情報共有すべきです:
- 外形や寸法に関する変更
- 機能に関する変更
- 過剰な品質問題
- 価格に関する問題
- 陳腐化(EOL)に関する問題
注意すべき兆候(Red Flags)
サプライヤーが約束を果たさないことは珍しくありません。多くのOEMはその場しのぎの言い訳を受け入れてしまい、後に深刻な問題に直面します。
サプライヤー変更を難しく感じても、不良顧客対応や品質問題に追われるコストはさらに大きくなります。
サプライヤー見直しを検討すべき兆候:
- ライン停止:CMがLCDを待たされている場合、即時に新しいサプライヤー検討が必要。
- リードタイム問題:経験豊富なサプライヤーは、安全在庫・複数出荷オプション・工場調整などの対策を持っています。
- 品質問題:不良品、フィールド故障、寸法不良などが頻発する場合は切替の時期。
- 性能問題:受け取るディスプレイが期待通りの性能を発揮していない場合、部品や工程のばらつきが原因。
選択肢(Options)
LCDのような特殊部材は、OEMがCMに対してサプライヤーを指定するのが一般的です。リードタイム、品質、性能、コスト、陳腐化のいずれかに問題がある場合は、代替サプライヤーの検討が必要です。
CMに確認すべき点:
- 支払条件・出荷条件
- 特別な在庫戦略の有無
新規LCDサプライヤー導入プロセス(Onboarding Process)
新しいLCDサプライヤーをスムーズに導入するためのステップ:
- 問題を特定(納期・品質・性能・コスト・陳腐化)
- 代替サプライヤー候補をリストアップ
- 選定サプライヤーに問題を共有し、解決策を盛り込んだ見積を取得
- CMとの互換性を確認(多くの場合、既存製品と100%互換のドロップイン代替が必要)
- 現行サンプルを送付してマッチングを支援
- 性能や製造改善につながるカスタマイズを実装
- サプライヤーからの仕様を確認(または「現行サンプルに準拠」と明示)
- 新サンプルをテスト
- 必要に応じて修正
サプライヤー選定のポイント(What to Look For)
理想的なLCDサプライヤーは、CMとの協業経験を持ち、以下のような役割を果たせる企業です:
スケジュール、支払い、RMAなどをCMと直接調整
ただし、OEM製品や顧客認識に重大な影響を与える事項については、必ずOEMへ情報共有





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