2023年には第5世代ラインに上記のLCDパネルが含まれるが、供給と需要は依然として逼迫している。

TrendForceのディスプレイ調査レポートによると、パネルメーカーは2023年の目標として、年後半に赤字から黒字への転換を図り、生産水準を厳格に管理し、需要に応じた生産戦略を維持しました。2023年の第5世代（含む）以上のLCDディスプレイにおける業界供給需給比率は2.1％に低下すると見込まれており、これは需給バランスの適正範囲である3〜5％を下回り、市場全体は供給逼迫の状況にあります。

高インフレの影響により、2022年のテレビ販売は不振でした。さらに、大型テレビパネルは輸送コストの高騰によりブランド戦略にも影響を及ぼしました。在庫および事業運営の圧力を受け、2022年第3四半期から大規模な生産調整が行われました。その後2四半期にわたる管理を経て、2023年第1四半期にはテレビ・ITを問わずパネルメーカーの在庫水準が大幅に低下しました。第1四半期は従来の需要減期にあたるものの、需給比率は前年第4四半期のマイナス7.1％から0.6％へと改善し、需給バランスである3％にはまだ達していないものの、前の2四半期と比べて在庫水準は大きく改善し、その後のパネル価格上昇の基盤が整いました。

TrendForceの統計によれば、第2四半期の大型世代ライン用ガラスの生産面積は前期比約13％増加しましたが、同時に各用途向けの在庫需要も約13.6％増加し、需給比率は約0.5％とほぼ前期の0.6％から変わりませんでした。市場供給が依然として逼迫しているため、パネル市況の80％を占めるLCDテレビ向け需要が価格を下支えしています。

第3四半期において、パネルメーカーの財務的負担は上半期と比較してやや緩和し、生産体制も第2四半期より高い水準となりました。しかし、単一四半期での黒字化はまだ達成されておらず、生産調整は継続中です。需給の逼迫状況は第3四半期にやや緩和される見込みで、供給需給比率は約3.3％と予測され、需給バランスの範囲内に達する見通しです。第4四半期は本年の最終出荷ラッシュ期であり、一部のパネルメーカーが単一四半期で黒字を実現できれば、第4四半期には各社の生産設定が異なり、供給需給比率は3.7％まで上昇する可能性がありますが、それでも需給バランスの範囲内に留まります。

注目すべきは、TrendForceが指摘するように、現時点でのパネル市場におけるテレビの需給状況は、必ずしも実態を完全に反映しているわけではなく、その多くは過去1年間におけるパネルメーカーの慎重な生産能力管理の結果であるという点です。そのため、年後半においては、パネルメーカーの稼働率および最終製品の販売動向に引き続き注視する必要があります。